✜02 深夜の鬼ごっこ

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✜02 深夜の鬼ごっこ

 深々とナイフが肩に刺さったのでよろめき後退したのでようやく相手の顔を拝めた。  ───────────────  名前       なし  年齢       6歳  種族     ゴブリン  生命力       4/10   筋力        1/2   敏捷性       1/4   知性        2  精神力       3  器用さ       2  スタミナ      5  幸運        1  経験値       1  ───────────────  ゴブリン、ゲームで見たまんまの緑色の肌をした最下級のモンスター。先ほどは不意をつかれたとはいえ、たった1匹にいいように殴られてしまった。  頭のうえにステータスバーがあるので、見てみると自分がゴブリンとあんまりステータスが変わらないことにショックを覚えた。これって生命力が∞じゃなかったら危なかったかも……。  生命力のところが4/10になっているのは、あと4ポイント奪ったら倒せるってことだと思う。敏捷性も落ちているので、まず逃がさない。  ゴブリンが木の棒を振り上げることすらできなくなったのを確認して、大型ナイフで止めを刺した。死体が残る系ではなく爆散して灰になるタイプだった。それもご丁寧に硬貨が落ちている。銅貨が1枚、ゴブリンだからこんなものなのか?  モンスターを倒したことによってボクのステータスになにか変化があるのか確認したら、創造ポイントが1増えていた。モンスターを1匹倒したら創造ポイントが増えるのかはこれだけではわからない。この点については今後チェックして様子を見ていくしかない。  それからひたすら森のなかを彷徨った。森のなかにはゴブリンしかおらず、1匹だけの時もあれば、2、3匹まとめて襲いかかってくる場合もあった。いずれにせよボクは無限の生命力持ちなので痛くもかゆくもないので時間をかけてゴブリンを倒していった。  夜も更けてきたので、そろそろ寝ようかと思っていたら遠くで赤い光がみえた。そこへ向かうと開けた場所があり、たくさんゴブリンが中央にある篝火を囲んで、肉を食べている。まるで宴会でもしているような雰囲気を感じる。  篝火のすぐそばにひと際、体格の大きなゴブリンが2体いる。頭の上にはステータスウインドウが浮かんでいるので、遠目だが確認すると全体的に10を超えている。種族を確認するとゴブリンより上位のホブゴブリン。1体でも自分よりステータス的に上だし他のゴブリンもたくさんいるので、ここは避けた方がいいか……。でも、原始的だが建物などもある。夜中に寝込みを襲えば結構なんとかなるんじゃないだろうか。  茂みのなかで隠れたまま悩んでいたら、後ろからいきなり衝撃が走った。頭を強く打ったが、効いているわけではなく、すぐに起き上がり相手から距離を取った。  叫び声──ここに敵がいるぞ、という合図なんだろうな、きっと。  とりあえず叫んだヤツを大型ナイフで突き刺し、絶命させた。でもゴブリン達は武器を手に取り、こちらに向かってくるのがみえた。  森のなかへ逃げ込み、持久戦に持ち込む。囲まれないように逃げながら少しずつゴブリンを倒しては移動を繰り返しているうちに朝になった。
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