✜02 深夜の鬼ごっこ

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 ゴブリンはほとんど息絶えていて、ホブゴブリン2匹との戦いになった。片方が大きな斧でもう1匹が槍を持っている。格上が2匹同時に相手なので、それはもうボッコボコにされ、ひたすら猛攻にさらされた。でも、どんなに斧で叩き切ろうとしても槍で突き刺そうとしても、切り裂けないし、貫通しない。このままホブゴブリンのスタミナ切れを待つ。  ボクシングの試合でも世界タイトルで戦うボクサーでさえ、3分12ラウンドが終わる頃にはパンチはへなちょこになっている。ましていかにも重そう武器を振るっている連中ならその消費も半端ではない。現にステータスが見えているので、ホブゴブリン達のスタミナが減っていくのがリアルタイムで確認できる。  逆にその間に夜中に走りまわって疲れて減っていたスタミナ回復に努める。自慢じゃないが家にずっと引きこもり気味だったので、スタミナには自信がない。  ホブゴブリンが疲れ果てた頃、ようやくスタミナがすこし回復したので、今度はこちらから仕掛ける。ホブゴブリンも急に歯向かい始めたのでムキになって抗い始めるが、疲れ果てているので、たいした抵抗もできずにどんどん大型ナイフがホブゴブリンの体を切り刻んでいった。  明け方まで続いた長い戦闘が終わり、とりあえずステータスを確認する。創造ポイントが60ポイントも増えていた。逃亡中、時折ステータスが画面を確認していたが、どうやら経験値と書かれた数字の分、創造ポイントに加算されることがわかった。  ───────────────  拠点「ゴブリンの集落017」を管理しますか?  ➤はい   いいえ  ───────────────  ──と、このような画面がでてきたので、迷わず「はい」を選択した。その後、いろいろ説明文が出た。内容は管理下においた拠点に所属するモンスターは管理者にけっして歯向かわず、集落に所属するすべてのモンスターに一括して命令を行えるそうだ。特に命令を与えない場合は自由行動でこれまでと同様の行動を取ると書かれている。  また、拠点は1日に1ポイント、管理者が創造ポイントを得ることができ、戦闘などで数が減っても夜中の0時にリセットされる、とある。  とりあえずお腹が空いた。クリエイティブ画面で文字を入力して食パン(1)とコーヒー(1)を手に入れ、ゴブリンのいなくなった集落で朝食をとることにした。
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