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2週間ほど他のノーマルダンジョンをクリアするため、寄り道しながらクリエの街へ戻った。川沿いの自分の家へ到着して一息つく間もなくテリヤキとフィオレが血相を変えてやってきた。
「冒険者が次々と?」
「ああ、命からがら逃げてきたらしい」
これまでこのダンジョン島唯一の街だった冒険者の街が襲撃にあったそうだ。襲撃してきたのは、見たことのない角と黒い翼を生やした種族で、たった一度の襲撃で大勢のひとが命を落としたそうだ。
この謎の襲撃者は、2週間近く前にダンジョン島と大陸を結ぶ定期航路上のあたりに突然現れた門から湧いて出てきたそうで、ゲートの向こうにはダンジョン島と同じような「島」が見えたと複数の目撃者が証言しているとのこと。
現在、宿屋の方が満員で、私財を持ち出せずに着の身着のまま逃げてきた人たちが大勢いて、他店舗なども無償で解放しているが、傷病人も多く、この街へ辿りつく人も日に日に増えていて街の建物の許容量を超えつつあるそうだ。
すぐに岩山の外……街の外れへ移動した。なにかに役立てようと森を切り拓いておいた空き地へ土建ゴーレムを使って、仮設住居の建造を始める。それと並行してNPCと戦闘ゴーレムをセットにした捜索隊を編成した。まだ森のなかを彷徨っている人達をひとりでもこの街へ案内しようと各方面へ大量に放った。
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拠点「ゴブリンの集落017」を奪われました
拠点「ゴブリンの集落023」を奪われました
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なっ……いきなりステータスウインドウから警報音が鳴ったので見ると拠点を奪われたと出ていた。拠点化って自分にしかできないと思っていたのにいったい誰が?
奪われた拠点は最初に発見したゴブリンの集落と冒険者の街にいちばん近い集落のふたつ。これって、もしかして自分と同じ能力を持った人間がいる? それとも頭に角と背中に黒い翼を生やした正体不明の種族の仕業? どちらにせよ、このままではマズイ、どんどん拠点を奪われてしまいそう。
それだけならまだしも、いずれこのクリエの街や建設中のユールンの街へもやってくるかもしれない。早めに手を打たなくては……。
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