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声を殺して泣いていた。瞳、ごめんなさい、私のせいだ。私とは連絡取らないで逃げてるかもしれないし。
…あ。
瞳からだ。
「知紗?」
いつものように、名前を呼んでくれた。
「…っ、ごめん、なさい…」
「…どうした?」
「私のせい…」
「…知紗?どうした?具合悪い?」
「…瞳、いなくならないで…」
「…今家?」
「…うん」
「待って。宮本さんに話すから。…宮本さーん!すんません!あのー、彼女が!1人だとまずいというか、心配なんす!まじで、俺…」
「いーよー。帰りな?」
「すみません!…知紗!すぐ帰る!待ってて!」
いつもの瞳の声と違って、慌てていた。必死な声だった。瞳は、帰ってきてくれるって。よかった。でも、私がやったことはきっと、許されない。
「知紗!」
瞳がいつの間にか帰ってきて抱きついてきた。
「どうしたんだよ…話してくれよ…」
「旅行の話…」
「ん?…あー、なんか言ってたな」
「私、瞳のこと話したし、瞳の写真も見せた」
「は?」
ほら、ね。
「ごめん…もう、私ともう、会えないよね」
「なんで…?」
「っだって、瞳のこと他人に話したりして…捕まっちゃうよ」
「…え?いや、大丈夫だって。知紗どうしたんだよ」
優しく、抱きしめられたまま話している。
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