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私は弱い私を消して、新しく強い私になった。あの子のために。
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それからずっと、私はあの子の側に居た。
登下校は当然一緒。クラスでも仲良し。放課後はお家で一緒に遊んだ。流石に大学からは会う時間はぐっと減ったけど。
お姫様のようなあの子ーー姫乃は昔から可愛かったけれど、20を超えた今でも砂糖菓子のようにふんわりして可愛い。
私は苗字が岸だったこともあり姫をいつも守る騎士のようだと言われた。姫が苦しまないように、悲しまないように、いつだって私は彼女を守ってきた。
特に”悪い虫”がつかないようにすることには人一倍気を遣った。
あのボス猿はあれから何度もちょっかいを掛けてきたけれど、私は毎回追い払うことに成功していた。今では追い払う協力者だっている。
とはいえ、そろそろ姫乃にも将来を考えてほしいな、なんて思っていた今日この頃。姫乃に呼び出されたカフェで私は白目を剥くことになる。
「キシちゃん、実はね。私達結婚することになったんだ」
そう言って姫乃が照れながら手を繋いでいたのは、まさかのボス猿こと猿山だった。
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