2.海

5/11
前へ
/36ページ
次へ
「どういうこと?ハルヒ」 「?」 「下宿って俺、聞いてないんだけど」 「いちいち報告する事じゃないでしょ?下宿っていっても他のバイトの人も一緒に泊まるし、昔民宿やってた家らしくて部屋は多いんです。ホームステイもしてたって、」 「そういうことじゃなくない?男女比率どうなってんの?」 「今日は私と翔琉さんと、翔琉さんのお姉さん、翔琉さんのお姉さんの友達の女の人二人ですね。あとは翔琉さんのご家族…って、関係ありますか?」 「翔琉さんってのやめろ」 「…はい?」 「俺の前で二度とその名前口にすんな」 「……」 …いや、人の名前に失礼では? いきなり入ってきた千冬は滅茶苦茶機嫌が悪い顔をしていて、夏の海も凍り付く冷めた目で私を睨んだ。 んな事言われても。 「私だって千冬の事千冬って呼ぶし、私の事ハルヒって呼…」 んでないわ。 "お前"とか"テメエ"って呼ばれてるわ。 「普通に無しでしょ泊まりは。つかバイトの掛け持ち禁止って言ったよね?」 「……そこまで話遡る?何回も言ったけどもう愁とバイトしてないし、私だって親父の体調あるから働かないといけないし」 「……」 「でっ、…でもっ、ハルちゃん本当に大丈夫っ!??男の人と一緒に泊まるって事でしょ!??」 「他の人も一緒だし、何も問題ないですよ。修学旅行とか林間学校って泊まりの行事もいっぱいあるのに、いちいちそんなの気にしてられないし」 「っ、……」
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

221人が本棚に入れています
本棚に追加