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でも夏休みが来るし、良い機会だ。
予定はみっちり入れた。海の家のバイトも一週間泊まり込みだから家に帰る事も無いし、彼等と距離を取るには絶好のチャンスだと思う。
夏休み明けまでに、今の関係を清算する。
身体の関係が続くなら、もう話したり一緒に遊んだりしない。私が彼等と付き合うつもりは無いって分かって貰う。
じゃないと、良い加減彼等に失礼だ。
「ハルちゃん、どうしたのっ?」
階段をたんたんっと降りてきて目の前に来た花音が私の顔を覗き込む。
お洒落大好きな花音らしく、毎日、多い時は朝と昼でヘアスタイルが変わる花音。今朝は髪を下ろしてたけど今は左右にふわっと三つ編みで垂らしていて、可愛いから取り敢えず頭を撫でておいた。
「もぉなにぃ〜っ、ハルちゃ〜んっ」
「花音だってジャンケン負けたくせに」
「これとそれは話が別でしょ?早く行こっ、花音お腹空いたっ!!」
無邪気で可愛い花音は私の右手首を掴むと、階段上に誘導する。
そもそも花音は大手企業のご令嬢で、世界にも名を轟かせるフルート奏者。愁も蓮も千冬も伊澄も学校の皆んなが声を掛けることすら憚られる高嶺の存在なんだ。一般人である私が一緒に居られる今が、おかしかっただけなんだ。
いつもの部屋にはいつも通りのメンバーが集まっている。
終業式に当たり前に参加せず、授業にも参加しないのにほぼ毎日学校に通う意味不明な人達がテーブルにお弁当やパンを並べて、今からパーティーを始める準備をしていた。
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