2.海

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2.海

「ねえっ、あっちに凄いカッコ良い人居るって!!」 「マジ!??女無し!??」 「一人居るけど誰かの彼女っぽい。でも他に三人くらい居るからワンチャン声掛ければ行けるかも!!」 「ちょっ、待って!浮き輪二つレンタルで!」 「700円になります」 「はぁーい、行こ行こっ!!」 「キャーーー、もう暑い~っ!!!」 ……。 モテていらっしゃる。 人が多すぎて彼等が何処に居るか分からない筈なのに、女の子達の動向を追うだけで彼等が何処のテントに居て今何をしてるのが、情報がしっかりと届くようになっていた。 花音の彼氏と思われてるのは、恐らく蓮だろう。 さっき海でピンク色の頭の目立つ男が、おっぱいが大き過ぎて目立つツインテールの髪の子を浮き輪に乗せて海の中を泳いでるのが見えたし。 かき氷を食べる花音を、浮き輪で引っ張る蓮。 つくづくあの人は花音に甘いし、二人は仲良しだ。 「噂になってるの、さっき話してた子達じゃない?」 隣に来た先輩が、返却されたらしい水に濡れた浮き輪を壁に掛けながら私を見た。さっきガッツリ見られてた事実にハハッと苦笑いを溢す。 「高校の友達?」 「はい。遊びに来たみたいで」 「高校離れてたよね?理由つけてハルヒちゃんに会いに来るって可愛いじゃん。相当仲良いんだね?」 「そんなことは、」 「男の子多かったけど、誰かがハルヒちゃんの彼氏だったりしないの?」 「無いですよ」 「そうなんだ。明後日から来る七瀬君も?」 「聖は幼馴染みなので」
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