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「夏だし、出会いあると良いですね?」
「…そうだね。てか先輩呼び止めてよ。年上だけど学校同じな訳じゃ無いし、名前で良いから。四野宮翔琉で」
「じゃあ、四野宮翔琉先輩」
「ハハッ!長いし怠い!!」
「じゃあ、四野宮先輩」
「違う。」
「翔琉先輩?」
「翔琉」
「…………翔琉さん」
「まぁそれでいっか。じゃあ俺、向こう戻るから。お昼時になったら飯屋混むから11時過ぎたらこっち来て」
「分かりました」
「じゃ、宜しく」
「……」
……爽やかだ。
色黒で筋肉質で背格好だけ見ると近寄りがたいけど、表情はくるくる変わるし話しやすい。年上だから話口調に余裕があって、変に気を遣わなく済んで助かる。
一日バタバタと時間が過ぎていった。
もっと邪魔されると思ったけど、たまに焼きそばやお好み焼きを買いに来て絡まれる程度で彼等と深い絡みはなく。……多分、バイト中の私を気遣ってくれたんだと思う。
そういうの関係無しに絡んできそうな千冬や伊澄も、夏の暑さと人混みを避けるようにテントから出て来ないらしい。蓮と愁は花音の世話で忙しく走り回って、幼馴染み三人衆は見ていて微笑ましかった。
……
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