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夕方。
先にお風呂を借りて、脱衣所で髪を乾かす。翔琉さんの家は面接の時に一度来た事があったけど広く、2階にある複数の部屋には各々部屋を借りて泊まっていて、私もその一室を借りることになった。
四畳半の畳の部屋に大きな窓が二つ、壁掛け時計とこの地域周辺の写真が額に入って梁の近くに飾ってある。
布団は箪笥に畳んで入ってるから、寝る前に自分で敷いて寝るらしい。テレビもあってエアコンもある。一人で借りるには十分過ぎる部屋だった。
それに簡易的な物だけど、ピンを差し込むタイプの鍵が部屋の扉に付いている。
コンコン
「ハルヒちゃーん、夕飯出来たって」
「はいっ、今行きます」
ガチャッ
「あっ、お風呂入ったんだぁ~。気持ち良かった?」
「はい、ありがとうございます」
「良いって良いって。てか聞いたよー、今日海で騒がれてた美形くん達ハルヒちゃんの友達なんでしょ?しかもその中に彼氏が居るって本当?」
「同じ学校の友達だけど彼氏じゃないですよ」
「嘘だぁ~。だって黒髪の超絶イケメン君に帰り際抱き締められてたっていうじゃん。翔琉が言ってたよ~っ」
「……あー」
「姉ちゃんウザいって。…ごめん、俺が口滑らせたばっかりに」
「アンタが言わなくても此処に居るほとんどの人間が見てたわよ。ハルヒちゃん、細いんだからいっぱい食べなさいねぇ~。夏は体力勝負だからちゃんと食べなきゃ倒れちゃうわよ」
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