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「ハルヒちゃん手止まってるよ。苦手なものあった?」
里香さんは翔琉さんと違って、かなり派手な風貌をしている。
今時のギャルって感じ。腰まで伸びた茶髪と長い付け睫毛、カラコン。良く食べる割に腕も足も細くて、タンクトップ姿のラフな格好は少し目のやり場に困る格好だ。
…でも、優しい。
話し掛けてくれる口調は柔らかく、覗き込んできた顔が本当に心配そうに眉を垂らしてくれてるから嬉しくて、ついクスクス笑ってしまう。
「ありがとうございます。聞いてて楽しかっただけです。お料理凄く美味しいです」
パクッと箸で摘んだ白菜を口に運んだ。
変に気を遣わせたくなくて美味しいアピールをしたつもりだったけど、もぐもぐ咀嚼する私を見る里香さんはうるんっと瞳に光を馴染ませて、嬉々した顔で私を見る。唇の端がパッと上がり、箸を持ったままの指で私を差してお母さんに振り返った。
「マジやばい!!里香、ハルヒちゃん帰せんかも〜!!!」
「可愛いわよねぇ控えめで。本当にいい子だわぁ。さっきもお夕飯の支度手伝ってくれたのよ?」
「そんなんしたの?良かったのに…」
「暇だったので」
「もうずっと此処に居ていいのよぉ~。ねぇ?翔琉。永久就職して貰えば?」
「……嫌でしょ翔琉じゃ」
「姉ちゃん?」
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