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蒼井メロン
「ねえェ、こんなコト、バレたらヤバいじゃん。メロンちゃんはアイドルなのよ!」
なおも厳つい顔をした首領のベガ(中身はアイドルの蒼井メロン)が嘆いた。今にも泣きそうなくらい悲痛な顔だ。
「なッ、泣くなァーッ。我輩の泣き顔を他のヤツらに見られたらどうするんじゃァーーッ!」
大声で怒鳴ったメロン(中身は首領のベガ)も自分自身を叱っているようで困惑ぎみだ。
「だってマジでヤバいじゃん。バレたら!」
首領のベガ(中身はメロン)は不満げに唇を尖らせた。
「ぬゥッ、ヤバいのは重々わかっておる。こっちだって緊急事態なんじゃァ。特に秘密結社『ギルディア』の部下どもに知られたら我輩は死活問題なんじゃァーーッ!」
美少女(中身は首領のベガ)はブチ切れたように辺り構わず怒鳴り散らした。
こちらは一見すると虫も殺さないような可愛らしい顔をしているが、ガラの悪いオッサンみたいな口調だ。
一見すると二人はまったく正反対のような気がした。
「もォ、うるさいわねェ。そんなことメロンちゃんにキレたって仕方ないでしょ。わめきたいのはこっちの方なんだからァ!」
逆に厳つい顔の首領ベガ(中身はメロン)はギャル風に語尾を伸ばしてセリフを言った。
こちらもムッとして、ふて腐れ気味だ。
「ううゥッ我輩とおヌシの……」
堪らず美少女(中身は首領のベガ)も頭を抱えて呻いた。
「ええッ、信じられないけど、メロンちゃんとオッサンの人格が入れ替わっちゃったのよ」
首領のベガ(中身はメロン)は天を仰ぎ今にも泣きそうな顔だ。
外面は鬼のように怖モテだが心は美少女メロンのモノだった。
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