雨の月曜日

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雨の月曜日

雨の日と月曜日は相性が悪い。ただでさえ月曜の朝は体調がすぐれない。 トムは朝食のラーメンをちびちびと食べる。 「トム、どうしたか。こんなに美味しいのに」 サンダーは豪快にラーメンをすする。 「汁が飛んでいるぞ」 ハイにたしなめられる。 「サンダーさん、トムをそっとしておいてくださいな」 ジョージが宥める。 「ごちそうさま」 ラーメンは半分も手を付けられなかった。ジョージはため息をつきながら片付けた。 「何があったか」 サンダーが尋ねる。 「実はですね」 ジョージの面持ちが暗くなる。冬が近いこの時期、雨が降ると寒くなる。 テレビでは古めのポップミュージックに合わせて、綺麗な男性がアップルティーを宣伝していた。 「寒い季節にもキスのような甘さ、アップルティー」 男性は有名モデル、バート・アンダーソンだ。 ジョージは男性を指さした。 「こいつのせいだよ」
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