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「てなわけなんだ」
ジョージは一部始終を話した。
「俺もスピーチ原稿書かなきゃ」
サンダーはテレビに目を向けた。まさに同性に嫌われて異性に好かれる優男だ。彼は歌も出しているが、若い女性くらいしか聴いている人を知らない。マッチョイズム思考が強いビッグ・アイでは売れるとは思えないが、それでも有名なのだから不思議なものだ。
昔寝た女もアンダーソンのファンだった。なぜアンダーソンのファンのくせに自分と寝たがるのか不思議だったが、女と汗をかいているときにアンダーソンのポスターに見つめられるのはいい気分ではなかった。
「俺は今日初めて知った。有名人と知り合いなんだな」
芸能界に疎いハイはテレビを一瞥すると興味なさげに食事に戻った。
「ジョージ、スピーチ原稿書くのを手伝うぞ」
「ありがとう」
ジムが入ってきた。嫌な予感がする。
「ヘイガイズ、このパーティだけれど三人も出てほしいらしい。お料理のタッパーなら託すよ」
ジョージの表情が固まるのをサンダーとハイは見逃さなかった。
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