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本棚に追加 "好きで好きで仕方がない"
俺の頭の中を結城さんの言葉がこだまし続けている。……これ、夢じゃないよな。
「そんなに驚くか?とっくに分かってただろ。」
拍子抜けしたような顔をしているであろう俺に結城さんは心配そうに声を掛けてくる。
「いや……最初は嫌われてると思ってたんで。身体だけだろうなって……」
「ひでぇな。好きでもない奴にこんなに優しくする訳ないだろ。」
「分かんないじゃないですか。抱いた女は数え切れない人ですよ?」
「あぁ……それなんだけど。俺、実は……」
ゲイだって言うことを躊躇している結城さん。
「昨日マスターから聞きました。」
俺がそう言うと、少しホッとした顔をしながらも複雑そうにしているのが分かる。俺、この人を安心させてあげたい。
でも、その前に聞きたいことがある。
「取引先の巨乳とは、何も無かったんですよね?」
出張の時のことを問い詰めると、
「無いよ。残念ながら女には全く興味無いから。佐藤が気にするなんて思ってなかった。」
あまり悪びれていない様子にイラッとしてしまう。
「香水臭いし、キスマーク付けてるし、何だったんですか。」
「……は?……あぁ、窓開けてたら蚊がすごくて、刺されるわ、酔った女が虫除けだとか言って香水ぶち撒けるわ、散々だった。しかも、営業部長も酒強いし、佐藤のこと気に入ってるし……お前オジさんに好かれやすいから気をつけろよ。」
結城さんの話を聞いて、勝手に想像して不貞腐れて暴走したことを後悔する。
「次朝帰りしたら、今度こそ他の男と寝るから。」
俺がふざけて冗談を言うと、
「なぁ、マジでやめて。俺、相手の男殺すかもしれないから。」
真剣な顔で言われて鳥肌が立つ。昨日の結城さん、マジで怖かった。これはきっと覚悟した方が良いやつだ。
「……重すぎるよな、ごめん。佐藤は今まで通りで良いから。束縛しないように頑張る。」
なんだか諦めたような顔をしている結城さん。
そうか、俺はまだ自分の気持ちを伝えていない。
俺には期待をしていないと言われたようで胸が痛む。
「……俺、結城さんのこと……」
「あー、ストップ!返事は良いから!」
「いや、ちゃんと聞いてください。」
「……ごめん、ちょっとシャワー浴びて来る。」
一方的にそう言って立ち上がる結城さん。俺に何か言う隙も与えないまま、リビングを出て行ってしまった。

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