231人が本棚に入れています
本棚に追加
朝方かしらね、動きがあってね。店の入り口で隆二が電話をかけ始めたの。アタシ、緊張と期待で心躍りながら携帯を握りしめたわ。
だけど、全然鳴らないの。
そのうち、隆二は店内へ消えていった。
『…え…』
やだ、そんな顔しないで。この話にはちゃんと続きがあるから。
ガックリ肩を落としながら歩き出したアタシの目の前に急に人影が現れて、傷心のアタシはゆるやかな避けてボソッと謝罪したわ。
その相手、誰だと思う?
そう!隆二だったのよ〜!
直接アタシに話をしに出てきてくれたみたいなの。そうゆうとこホント、律儀っていうか、やっぱりデキる男なのよ。
契約が済んで、ほっと一息した時、彼が言った。
“…まだ気が付かない?”
何のこと言ってるのか分からなくて、アタシぽかんとしちゃった。そしたら、ゆっくり目の前に“いちごミルク“の缶を置かれたの。
もう…お手上げよ。
記憶が一気に蘇って、アタシの心はあの海辺にいた。
”…久しぶり“
最初のコメントを投稿しよう!