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昔から美しいものが好きだった。お洒落も好きだったし、手先が器用だったから友達の髪をいじったり、女友達にメイクしてあげたりね。
ほら、アタシって何だかんだ整った顔してるじゃない？
だからモテたし、実際彼女だっていたわよ。
高校に入ってからかしら。ふと気づいたのよ、違和感に。胸が締め付けられるようにトキメクのは、男たち。アタシびっくりしちゃって。
だって今までそんなこと感じたことなかったのよ？それが、成長して、体格差が顕著になった時に、もぉ興奮しちゃって興奮しちゃって。
でも、誰にも相談できないじゃない、そんなこと。今でこそLGBTQだのSOGIだの言われるようになったけど、あの頃は理解なんてされてないし、学生なんて特に狭い世界で生きてるんだから、情報もないし、途方に暮れたわよ。
でもね、アタシには幼馴染がいて、彼女なら分かってくれるんじゃないか、もしかしたら気づいてくれてるんじゃないかって思って、アタシ言ったの。2人きりの時に、思い切って相談したのよ。
『彼女、なんて？』
「驚いてたけど、受け入れてくれた感じはしたの。実際、言ってくれてありがとうなんて言われたし」
その幼馴染はアタシが女っぽい格好をしたいんじゃないかって思ったらしく、自分のクローゼットから大きめの服を出してきたり、一生懸命理解してくれようとしてたのよ。
アタシはそのタイプじゃないからお断りしたけど。でもね、うれしかったわ。彼女の心意気っていうか、彼女だけには言って良かったって思ってた。
そしたら翌日、教室に入った途端、何だかいつもと空気が違ったの。
“お前、男が好きなんだってー！？”
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