恩人の息子

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 一階に降り、リビングのドアの前を通ったところでにふと気が付いた。 「純くん、明日の朝に下村さんは来るの?」 「いや、下村さんは昼前にしか来ないよ」 「じゃあ朝ご飯はどうしてるの?」 「朝は…父さんはコーヒーしか飲まないし、俺も食べたり食べなかったり…コンビニのパンをかじって行くことも多いな」  そうなんだ。お父さんと二人だからそんな感じになるのかな? 「…私、良かったら作ってもいい?」 「えっ作ってくれんの?」  純くんは驚いた顔をした。 「うん、お母さんと暮らしてた時は私が作ってたし」 「なら冷蔵庫の中に何が入ってるか見る?」 「うん」  純くんとリビングに入りキッチンの方へ向かった。  大きな冷蔵庫の中には、食材が整然と並んで入っていた。 「使っていいのかな」 「いいんじゃね?気になるなら俺からも下村さんに言ってあげるよ」 「ありがとう」  キッチンのトースターの奥に食パンがあった。 「純くん朝はパン、ご飯どっちがいいの?」 「選べるの?」  純くんはキョトンとした。  何か純くんカワイイかも。イケメンの割に。
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