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コーヒーを無事に淹れ終わり、ダイニングテーブルに座るとお互いに手を合わせて食べ始めた。
「純くん、部活は何入ってるの?」
「サッカー部」
「春休みも毎日あるんだ」
「でもゴールデンウィークまでだな。受験生だから」
「そっか…」
「友杏ちゃんは高校の時は何部だったの?」
「美術部だったよ」
「へぇ~絵も描けるんだ」
「た、大したことないよ」
純くん、気を使って話してくれるのかな。私、こんなに男の子と話したの久し振りな気がする…
私は純くんと話しながら朝ご飯を食べてるとリビングのドアが開く音がした。
見るとおじさんが驚いた顔でこちらを見ていた。
「おはよう」
「おはようございます」
「おはよ」
「これは…」
おじさんはダイニングテーブルに並べてある朝ご飯を見た。
「すみません、勝手に作って」
私は立ち上がって頭を下げた。
「そういえばそうか。僕も純も朝食を食べる習慣がないからな。こちらこそ気付かなくてすまなかった」
「おじさん、良かったら召し上がりますか?」
「僕の分もあるのか?」
「勿論です。こんなメニューで良かったら」
「いや、十分だよ。折角だからいただこうかな」
「なら、準備しますね」
「ああ、ありがとう」
準備をしてる間、おじさんはダイニングテーブルの椅子に座って新聞を読み出した。
お父さんってこんな感じなのかな…
私はおじさんが食べてくれると言ったのが嬉しかったのだった。
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