世知辛い世の中にサヨナラを

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  「な、なんでもないよ」 「ご気分が優れないようでしたら、すぐにお知らせください」 「…ありがとう」 (この気遣いが)  腐りまくった女子たちのハートを鷲掴み、撃ち抜いただけのことはある気の遣い方ができる男だからこそ、軒並みいる女性にも刺さったのだろう。  かくいう楓の姉にも、ぶっ刺さり。  即売会イベントに、売り子として何度連行されたことか… 「スピカ様」 「! な、なに?」 「シリウス様への贈り物でしたら、我々にスピカ様のご意向をお伝えいただければ代わりに買い求めて参ります。 ですから、ご自身の体調を一番にお考えください」 「…うん」 .
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