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翌朝、わたしはインターフォンが鳴る音で目を覚ました。時計を見ると午前十時過ぎ。こんな時間まで目が覚めないなんて、昨日は余程疲れていたらしい。
わたしはふらつきながら、インターフォンのカメラを確認した。落ち着いた雰囲気の年配の男性が映っている。何かの勧誘かと思ったが、わたしはひとまず応答した。
「はい、どちら様でしょうか」
「三倉署の者です。お話を伺いたいのですが」
警察の人がなんの用だろう。わたしは上着を羽織って、ドキドキしながら玄関のドアを開けた。
「昨日はどうも。改めて確認しますが、川島菜奈さんで間違いないですね」
「はい、そうですけど」
年配の男性はわたしを鋭い目で見てくる。その目力が強すぎて、わたしは思わず目をそらしてしまう。随分と馴れ馴れしいのが気になる。
「あなたに逮捕状が出ています。署までご同行願います」
青天の霹靂とはこのことだ。わたしは何かの聞き間違いかと思った。わたしがぽかんとしていると、彼は怪訝そうに書類を見せてきた。
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