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「おっちゃん! おなか空いた!」
ボクは駄菓子屋の前で叫んだ。
「涼介、ちゃんと給食は食べてるのか?」
「もちろん! 今日だっておかわりしたさ!」
小学校生活の楽しみといえば、休み時間のケイドロと給食時間のおかわりじゃんけん。
どっちも負けたくない。
「ほう。今日は何をおかわりしたんだい?」
「牛乳だよ。牛乳じゃんけん、略して牛じゃん。誠也が勝つことが多いんだけど、今日はボクが勝ったぜ!」
「そうかそうか。まぁ、おなか壊さないようにな。で、今日は何にする?」
「じゃあ……これとこれ!」
ボクは四十円の駄菓子を二つ選んで、おっちゃんに百円玉を渡した。
「ほれ、おつり。二十万円」
「おっちゃん、それ、おもしろくないから」
「わははは……おっちゃん世代はな、これを言わないと気がすまないんだよ」
「ふ~ん」
ボクもいつかはこんなオヤジギャグを言うような大人になるのだろうか……
あまり想像したくない。
というか、ボクはいったいどんな大人になるのだろう?
そんなことを、ふと考えてしまった。
「じゃあね、おっちゃん!」
ボクは買った駄菓子を持って公園に行く。
友達の祐希と待ち合わせをしているのだ。
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