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迷子
僕はポスターを見た時、身体がゾッとしたのを感じた。あの時の表情や、あの時の言葉一つ一つに「助けて」が込められているのでは無いかと、想像し、走っていた。
どこに?
どこかに
なんで?
彼女のため
なんで
止めるため
どうやって?
…
自問自答、言葉が詰まった。
自問自綻。
どうやって止めるかなんて考えず。
何処にいるかなんて見当つかず。
僕は町中を走り回った。
商店街、路地裏、学校、警察署、病院
全部回って、地図にバツをつけて行った。
住宅街、市役所、歯医者、パン屋さん、コンビニ
全部回ってどこにもいなかった。
バツで埋まった、
地図が見えなかった。
走った。
喉が渇いた、
ここはどこだ?
ここはどんな地獄だ?
気づいたら、僕は迷子になっていた、闇雲に走っていたから仕方がない。
足が言うことを聞かない、もう限界なのだろうか、僕は、近くの水辺で、意識が落ちた。
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