After -以後-

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僕らは仲良くなった。 行人がたくさん話しかけるのもあるし、 番号順が隣で何かと縁があった。 なんで僕に話しかけたの、と聞くと、 『ゆき』が僕らの名前に入っていたからと答えた。 そんな素朴な理由なんだと笑ってしまったけど、嬉しかった。 行人との日々は楽しくて仕方がない。 みんな、僕が目線を合わせないのを気まずく思うけど、 行人は違う。 目と目を合わせなくても、そういう人もいるよねって受け止めてくれる。 ダメだって分かってるけど、優しく包み込んでくれるから縋ってしまう。 それに、僕を見てくれてるんだと、承認欲求が満たされていくのも分かる。 僕は一人じゃないんだ。 僕には友達がいるんだ。 この安心感がすごく心地よいんだ。
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