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俺には昔から不思議な力がある。
いつだったかは覚えてないけど、多分兆を超える世界を体験してきた。
簡単に言えば、平行世界に行くことができる。
ただし、戻ることはできない。
もちろん条件もある。
元の世界で俺自身が死んだら、次の世界に俺の意思関係なく移動する。
初めて移動する時、神様に会った気がするけど、
すっごく前の話だから覚えていない。
俺はこの能力と不運体質からたくさんの『死』を体験してきた。
赤子の頃は風邪をこじらせて、
五才の頃は海で溺れて、
十才の頃は窓から落ちて、
十二才の頃は土砂崩れに遭って。
生き延びては『死』に、生き延びては『死』ぬ。
いつのまにか、『死』んでも大丈夫だと思って、
何も考えずフラフラと生きてきた。
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