On the other hand -一方-

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こんなに『死』に直面しないのは久しぶりだ。 今まで、走馬灯をリピートして、 血が出て暑くて寒いのを我慢して、 痛みや苦しさが早く終わるのを願う毎日だった。 けれど、兆に出会ってから、『死』は俺を襲ってこない。 兆との日々が楽しい。 あの『死』がやってこない。 『死』に怯えて暮らさなくていいんだ。 どこかにあった恐怖が薄れていく。 その代わり、油断が生じていく。 だから、あんな目に遭ったんだ。 『死』の恐ろしさを忘れてはいけない。 そう思い知ったんだ。
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