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また、違う世界に跳んでいる。
もう一つルールがあって、
平行世界に跳ぶ時、『死』のきっかけとなった分岐点まで戻るのだ。
今回はどこからだろう。
まあ、兆はいるだろう。
視界が蘇る。
そこには中学の入学式の兆の後ろ姿があった。
こんな三年も前に戻されるなんて、予期していなかった。
いつも一週間前後くらいしか戻らないから、それぐらいだろうと思っていた。
何かがおかしい。
そう思った俺は約三年の時を繰り返す。
交通事故以外にも、
林間学校で遭難したり、
修学旅行でテロリストに囲まれたり、
階段でこけたり、電車が脱線したり。
毎回、中学の入学式に戻ってくる。
これはもう、そう言っているとしか思えない。
でも、抗いたかった。
兆と俺が生き残る世界。
それまでこの繰り返しを続けた。
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