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もうあれから何年経っただろう。
君を今でも思い出す。
消したいと思っても、消せない思い出。
色褪せたとしても、輝いている。
理不尽だ。
今まで何兆何京と見てきた数々の『死』よりも、
何万回と見た君の顔ばかりを思い出す。
「あの時、どうすればよかった?」
君に言えばよかった?
気をつけろよ、とか。
それでも、ああなっただろう。
なら、どうすればよかった?
自分を優先しろと言っても、君はきっと俺を助ける。
こんな俺を助けてしまう。
「いつまでも、君の記憶は消せない……」
誘われるがままに目を閉じた。
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