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「優作、私の秘密を聞いて欲しいの」と私は言いました。 私は彼に話しました。愛せば、その人が消えてしまうこと。これまで私の愛した人たちは何人も消えていき、彼らの記憶は世界から抹消されてしまうこと。家族は消えず、よって私が消えることはないこと。だから私は毎日が辛いこと。死にたいこと。そして優作を愛してはならないことを。 彼はもちろん驚いていました。 しかし彼は言いました。「なら、俺が消えた時、絵梨は俺のことが好きってことになるんだな」彼は笑っていました。また無邪気な笑顔で。 どうして?どうしてあなたは笑っていられるの? 「あなたは死んでしまうのよ」私は言いました。 「構わないさ」と彼は言いました。 「君に愛されたいんだ」 * * *
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