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その日は晴れでした。晴れていると私はどこか除け者にされているような感覚になります。私のような存在がこんなキラキラと輝く世界に存在してもいいのかと。
私は教室の片隅で本を読んでいました。
誰も私に話かけません。いじめなどはありませんでした。周りの生徒にとって私はただの人見知りとして映っていただろうと思います。また、実際そうでしたし、だからこそ、今のこの環境を好ましいとさえ思いました。本を読んだり、絵を描いたりして時間をやり過ごすのは人見知りには当たり前のことだし、私はそれを好いていたからです。
ただほんの少しだけ、ほんの小さな水たまりのぶんだけ寂しさが残るだけです。
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「すまん、田村。ノート写させてくれねぇか?」
古文の授業が始まる少し前、隣の席の彼は言いました。
彼の名前は川上優作です。
「いいよ」と私は言いました。
「すまんな」と彼は言い、急いでノートを写しはじめました。
二年生になってからまだ1ヶ月程しか経っていない、ある晴れた日でした。
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それからというもの彼は私にノートを見せてくれるよう頼むようになりました。私はその都度ノートを見せてやりました。しかし、私も人間です。こう何度もノートを見せることに、私はあまりいい気はしませんでした。せっかく頑張って予習してきたんだから、あなたも少しはその苦労を味わいなさいよ、と思ったからです。
「また今度お礼するからよ」と彼は言いました。
「わかった」と私は義務的に返事をしました。
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