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「へいらっしゃい!」
俺達がラーメン屋に入ると、ここの主人と思われる男性の声が、店内に響き渡った。威勢のいい声だ。
白髪交じりの頭と皮膚に刻まれたしわから察するに、初老くらいだと思われるが、体格が良く、元気そうだ。
店内にはこの男性以外に若い男性が二人いて、麺をゆでたり、スープを作ったりしているようだ。
他には誰もいない。昼飯時でも夕飯時でもないからか、客は来ていないようだ。
扉の近くにある券売機。ボタンを見ると、醤油ラーメン、豚骨ラーメン、チャーシューメン、ライス等の文字と値段が書かれている。
ラーメンの内、一番安いのは醤油ラーメン。これなら税込みで一杯五百円で食べられる。
ただ、この券売機、残念なことに電子マネーには対応しておらず、現金で食券を購入しなければならない。
でも、高校生である俺達にとっては、良心的な値段だ。
俺達は券売機に五百円玉を入れ、醤油ラーメンの食券を購入した。
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