隣人

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お使いを済ませて海未ちゃんの部屋に行く。 うみがオレを覚えてくれていたのか、にゃ〜と寄って来た。 「ほんっと 助かりました!ありがとう。」 海未ちゃんは何度もお礼を言って お使いものを受け取る。 「良かったら 食べて行ってください。作りすぎちゃって。」 腹ぺこなオレは遠慮なくご馳走になることにした。 部屋いっぱいに美味しそうな匂いが広がる。 ハンバーグ? そんなような匂いがして わくわくした。 出てきたのは やはりハンバーグで、ソースは和風のものだった。 大根おろしと大葉が乗っていて、さっぱりとした味付けになっていた。 付け合せは ゴボウときゅうりのサラダに春雨とキクラゲの酢の物。 そしてご飯は ユカリがのったご飯だった。 大きなお皿に それらがカフェ風に盛られ、見た目にも十分満足のいくものだった。 「すっげー!まじでカフェみたい。」 正直言ってフリーズ女の料理は期待してなかったのだ。 ここまで完成されたものを出されるとは思ってなかったので驚いた。 カフェみたい、というと海未ちゃんは 嬉しそうな 切なそうな顔をした。 「お買い物も行ってくれたし、昨日はプリンもくれたし… いっぱい食べてね。おかわりもあるよ。」 まるで弟にでも言うように 海未ちゃんはにこやかに笑った。 一緒に食べながら、うーん ソースが薄いかなーとか 自分の料理の判定をしていた。 海未ちゃんは 自分の料理にまだ不満みたいだったけど、オレ的には十分すぎるほど美味しかった。 やっぱ こんなところは歳上オンナいいなー。 なんて思ったりもした。
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