孤独を埋める夜明け

1/1
前へ
/1ページ
次へ
東の空に地平から顔を出した太陽が眩い光を放っている。 その光は、背高いビル四階の一室を強く照らしていた。 真っ白い壁紙がさらに白く輝いている。 マシュマロのように柔らかい布団の上で、一人眠る少年がいた。 一人、孤独に夜が明けるのを待っていた。 しかし、いくら待とうと少年に朝はやってこない。 白いカーテンが風をはらんで大きく膨らんだ。 そこから、冷たい空気が流れ込み、少年の頬を撫でる。 「まだ寝てるの? お寝坊さん」 優しく、包み込むような少女の声。 少年はゆっくりと目を開けた。 少年の孤独は、優しい声と共に消えていった。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加