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私の彼氏は寡黙だ。
寡黙だからと言ってずっと黙っているわけではないけれど、言葉の代わりに行動で示してくれるような人だった。
仕事で疲れて帰ってきた時も夕飯を作ってくれたり、辛いことがあった時は何も言わずに側にいてくれた。
言葉数が少ないだけで、彼からの愛情は感じられていた。
そんな彼と連絡がつかなくなってから1週間がたった日のことだった。
久しぶりに会えた彼は、玄関で俯いたまま言葉一つ話さない。
「久しぶり、雨の中大変だったでしょ。今タオル持ってくるね」
雨の音が響き渡る中、久しぶりに彼の声を聞いた。
「他に好きな人ができました」
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