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第4話 再会までの道のり
電車に乗るために駅に向かった。
小さな体だったけど、歩けばすぐ駅には着いた。
とりあえず電車の切符買わなきゃ…。
人並みに呑まれながらも何とか電車の切符買い口に辿り着いた。
しかし、ここで問題が起きた。
私の身長が低すぎて手が届かなかった。
大人の人に手伝ってもらう?いや、まともに相手してくれる人なんている保証がないし、簡単に信頼できない。
ここは仕方ない…駅員に言おう。ただ、5歳の子が簡単に切符買えるとは思えない。
…いや、初めてのおつかい方式ならいける…?
最悪逃げればいい。絶対あの親のところに戻りたくない。
私は勇気を持って駅員のところに行った。
…よし、私ならいける。見た目は子供。頭脳は大人なんだから。
「すみませーん!駅員さーん!」
声をかけると駅員は私の方を見てにっこり微笑んだ。
まあ営業スマイルと、子供相手だからね。
「どうしたの、迷子かな?」
「ううん、電車の切符買いたいの!」
多少子供っぽくいかないといきなり大人口調は怖いからね。
「えぇ、お母さんお父さんは?」
さて、私の考えた言い訳、通じるかな…。
「おばあちゃん家に1人で行く!お母さんに言ったの!だから切符買わせて!」
やばい…大の大人が子供口調って、めちゃ恥ずかしい…。
今さらながら顔が熱くなっていくのを感じた。
駅員はそれを聞いて不安そうな顔しながら質問してきた。
「こんな朝早くから行っていいの?」
あ、今7時くらいだもんね…。子供がこんな時間は怪しいよね…。
焦りつつもすぐ言い訳を思いつき、それを伝えた。
「早くおばあちゃん家行きたくて!お母さんもいいよって!」
はぁ、と駅員は言ってまた困ったような顔をした。
「えっと、何処まで行きたいの?」
「ここから春井沢駅まで!」
春井沢は私と怜生が住んでる場所の近くにある駅だ。
「春井沢…そんな遠いところまで1人で行けるの?」
当たり前だが心配されている。
ここは自信満々に行かないと…!
ここでお姉ちゃん作戦だ!
「大丈夫!私、こんどお姉ちゃんになるから!何でも1人で出来るようになる!」
それを聞いた駅員は安心したみたいで、
「そっか〜!じゃあ駅員さんがお手伝いしてあげるね!」
「…うん!ありがとう!」
ほんとは切符口以外1人でいいんだが、断っても失礼だし、仕方なく受け入れることにした。
そのあとは駅員にお金を渡して切符を買ってもらい、春井沢まで向かうホームまでついてきてもらった。
そして駅員に乗り換える駅を何度も確認させられて無事電車へと乗れた。
普段電車乗らないから疲れたし、子供の姿でさらに疲れた…。
さて…あとは乗り換えさえ間違えなければ問題なし!
怜生…!もうすぐ会えるね…!
怜生に会えることを心の中でワクワクしていると、電車の扉が開き、ぞろぞろと人が入ってきた。
な、な、なんで!?っと思ってよくよく考えたら、
「そ、そうだ!通勤ラッシュだああ!」
私はあっという間に人混みに押し潰され、身動きが取れない状況になった。
た、助けてぇ…満員電車きついよぉ…早く出たいよぉ…
苦しい思いしながら10分20分経ち、乗り換える駅に着き、やっと人混みから解放された。
く、苦しかった…。小さくてもキツいもんなのか…。
そのあとはスムーズに乗り換えて、さっきよりマシな電車に乗れて、バランスを崩しかけるも何とか耐えていた。
1時間後…、
「ぐ、ぐぇぇ…。」
無事、春井沢駅に着いたが、慣れない体で電車に乗るのはあまりにも地獄だった。
よろよろとしながらも怜生が住む家に向かった。
歩いていると見慣れた風景に辿り着いた。
前世の私が死んでから5年経過しているが、5年経ったという感覚はない、気がつけば転生したから。
でも、久々に帰ってこれた。それだけで心がいっぱいになった。
思い出に浸っていると、気がつけば怜生、そして元私の家の前にいた。
すぐ開けたい、けど怜生がいるのか分からないし、会ってなんて言えばいいのか分からない。
ずっと頭の中モヤモヤしていると、玄関の扉が開いて、寝癖だらけの部屋着の怜生が出てきた。
会った瞬間、自然と涙が溢れてきて、彼の名前を叫んだ。
「怜生…‼︎怜生…‼︎」
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