プロローグ

1/1
前へ
/4ページ
次へ

プロローグ

 今から遥か昔の事である。西暦と呼ばれた時代の地球には、高度な文明が栄えていたという。  世界中を移動できる鉄の箱。一瞬で何処からでも知識を取り出せる魔法の板。  街を見渡せば天を貫く程高い白と灰色の絢爛な塔が立ち並び、人々は日々神への祈りを捧げていた。  全ての人々が平等であり、誰もが自由を謳歌した輝かしい時代。だが、そんな栄光の時代も永遠には続かなかった。  何が原因で滅びたのかは伝わっていない。ただ事実として語られているのは、神が人を守るためにその身を犠牲にしたという事だ。  命の危機に瀕した神は形を変えて空に溶け合い、世界全てを包み込み、地上を迷宮で覆った。  それが新たな歴史、迷宮紀の始まりだと言われている。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加