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出来上がったりんごは形がとても歪で、母の剥いたものとは比べ物にはならなかった。そのりんごが乗ったお皿を恐る恐る父の前に出す。
父はりんごを数秒眺めていたが、フォークを手に取り歪に剥かれたりんごに刺して口に運んだ。私はその様子をドキドキしながら見ていた。
「うん、美味しい」
父は美味しそうに食べると、二つ目のりんごに手を伸ばした。
「これ、穂乃果が剝いてくれたのか、ありがとうな」
父はそう言うと優しく私の頭を撫でてくれた。私はそれがとても嬉しかったのを今でも覚えている。
それ以来、父の誕生日には私がりんごを剥く事が恒例行事となった。
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