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サンタマリアがやって来たは⎯⎯。
シェルターから東側に在る、枯れた大樹。
木の葉は黒い酸性雨で枝葉は全て枯れ落ち、幹も痩せ細ってしまってぼろぼろだ。
サンタマリアは大樹に歩み寄ろうとしたした時、ハリネズミは怖がって肩から降りて後退ってしまう。
〝ぼく……此処怖い……。
何だか枝が……人間の手が、無数に蠢いてるみたい……。〟
しかしサンタマリアは幹に寄り掛かって座り、手には蛍石の原石を持っている。
「無数の人間の手。
その表現は間違ってないよ。
此処は死んで逝った人達の墓だから……。
此処ならいつでも……」
〝ぼくは嫌だよ……マリア…ぼくには大好きな人なのに。〟
「ありがとう、でも俺は生きていたくないんだ……こんな生を感じない……【破壊の街】に……」
そんな…脱力感にも似た休息をしていると、ハリネズミが何かに気付いて鼻をピクピク。
〝何だろう……何か来る。〟
ハリネズミの言葉にサンタマリアは立ち上がり、サンタマリアは傘を剣に変形させて構える。
何らかの力で死体のまま蘇った人間の総称である。ホラーやファンタジー作品などに登場する架空の人間。
『腐った死体が歩き回る』という描写が多くなされるが、黒い酸性雨に感染し、死んでいった人間達が、マッドサイエンティストのウィルスで蘇り、体が腐り、歩き回っている。
〝!!Σゾンビ!?〟
「隠れてて!」
サンタマリアに言われて、安全な場所を見付けて、ハリネズミは隠れる。
「ゾンビ?」
〝このノアールで死んでいった人達が、死体として、蘇ったんだ!〟
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