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「まさか!
マッドサイエンティスト?」
“あの男なら、まず間違いなく、貶めようと考えるよ”
ハリネズミの言葉に、サンタマリアはゾンビを睨み付ける。
彼らに恨みなんて無いが、仕方がない。
「ごめんなさい……」
小さく謝罪し、ザシュッ!
ザシュッ…ザシュッ!
強くはないが、次々に現れるゾンビを切り捨てるのに苦労する。
〝マリア……。〟
心配そうに見詰めるハリネズミ。
“優しいマリアにはツラいかも知れない”
「……大丈夫……。
マッドサイエンティストの、思い通りには、ならない……」
実際、ゾンビは元、街の住人達。
黒い酸性雨の感染症に因り、障碍を引き起こし、死に至った⎯⎯。
その住人達の死を、弄ぶ様に、マッドサイエンティストは蘇らせ、サンタマリアやハリネズミを襲いに来る様になった。
優しい性格のサンタマリアには、『住人達を殺す』など、酷な話だ。
それでも、自分を襲いに来るゾンビを倒して行くと、その場に居たゾンビは全て倒れる。
剣を傘に戻したサンタマリアは、力無く傘を下ろして膝を折って、地面に着く。
“マリア、大丈夫?”
すると顔を俯かせたまま立ち上がり、〝大丈夫。〟と言って、歩き出す。
〝あ、待って…マリア!〟
慌てて追い掛けるハリネズミの後ろを着いていく。
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