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VS魔王⑪
ファンタジーのこの世界には、白魔導師や黒魔導師など、特殊な能力でもって超能力のような技を使える人がいる。
その多くは、世界にちらばる魔物から人人を守ったり、ワルさをするのを退治したり、まっとうな勤めをしているが、こそこそと、いかがわしい商売をしているのも。
代表的なのは呪術師だ。
人に限らず、対象に呪いをかけるのだが、相応の代償がいるので、あまり魔物対戦に向かない。
ということもあり、正体を隠して旅をしながら、おおきな町に身を潜めながら、人の依頼を受けての仕事を。
そのうちの一人「腕利き」と囁かれる呪術師をどうにか探しだし、俺は依頼をした。
火口に向かうまえに「俺に呪いをかけてくれ」と。
評判の呪術師が得意とするのは、浮気者への復讐。
ターゲットは、浮気した自分のパートナーはもちろん、その相手も。
代償は高くつくも、依頼主は腕や足一本、差しだすのを、ためらわないとか。
噂では、命を捧げてまで呪うこともあると。
実際はどうなのか。
面とむかって呪術師に聞いたところ、依頼主の命と引きかえに、浮気したパートナーを殺し、相手にも(いっそ死んだほうがマシと思えるような)大ダメージを与えるらしい。
いろいろとパターンがあるが、たとえば、男が男のパートナーに呪いをかけるとして。
パートナーが掘られるほうだったら、尻の穴のなかに呪いの記号を刻む。
で、いざ浮気相手とセックスして、注ぎこまれたとき、記号に精液が染みることで呪いが発動。
呪われた本人は硫酸となって溶けて死亡。
相手のダメージは密着度によって変わるが、すくなくとも、チンコは確実に溶けて、その想像を絶する痛みを味わいつくす。
で、男として使い物にならなくなる。
そう、その呪いを俺にかけてあるのだ。
いやいや、結局、呪いによって死ぬのなら「代償」にならないのでは?
俺もはじめは、そこに引っかかったものの、呪術師曰く「前世の因縁があるなら、魂は二つ分とされ、その一つを差しだせばいい」と。
理屈はよく分からなかったが、一つ分の魂を代償に呪いが発動することを祈り、魔王を硫酸で溶かすことに、すべて賭けるしかなく。
呪いの依頼をしたときは、まだ正体を知らなかったとはいえ、魔王にレイプされるだろうと予測していた。
魔王は勇者でなく、俺に目をつけているのでは・・・。
と疑いだしてから、いざというときの準備をしておこうと考えだし、最終的に呪いによる対抗策を思いついたわけ。
オソマツな俺の戦闘能力では、まるで魔王に歯が立たない。
が、襲ってきたら襲ってきたで、セックスに没頭させれば、隙ができて、一矢報いることができるかもしれないと。
そうやって万が一にそなえていたのが、魔王が前世の恋人と知ったとなれば、この絶好のチャンスを逃さず、かならず葬りさりたいところ。
挿入させたところまでは、思惑どおりだったものの、うしろから突くのを、なかなかやめてくれず。
このまま注ぎこまれても、チンコや手を溶かすくらいで、死なせることができないかも。
「ああん!やあん!だめえ!」と煽りつつ、涙目でちらちら誘うのだが、得意げな下衆顔をして、一定間隔にずんずんぐちゃぐちゃするだけ。
まだ余裕があるらしく、うしろから巨根で辱められる俺をじっくりと眺め、堪能しているのだろう。
射精しそうにないのは、いいとして、息つく暇なくメスイキさせられつづけては理性がとびそう。
呪いが発動するタイミングを見計らい、その瞬間、ミスをしないよう、集中しないといけないのに。
「ああ、ば、ばかあ!そ、んな、ああ、あん、おっき、く、はう、して・・・!あん、あん、や、らめえ!はう、はあん、やらあ、あ、あ、あう、ああうん!」
魔王道連れ心中作戦そっちのけで、この世界では至高らしい巨根の旨さを、ただただじゅぼじゅぼ貪ってしまう。
絶えず津波がくるような快感に、引きずりこまれまいと、どこまで踏んばれるか。
魔王が射精するまで俺が正気でいられるかは、かなり難しそうで。
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