中村君

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お腹がすいたので、駅前の立ち食いうどんに入り『キツネうどん』を食べようとしたら、うどんの上のお揚げの真ん中が微妙に盛り上がっていた。 はて?こんなとこに誰か居るのかなと思い、お揚げを少し捲ったら、お揚げの下にいたのは高校の時同じクラスで友達だった中村君だった。 私が中村君に「おう中村、久しぶり」と声をかけると、中村君は「んん、小田部か?おお久しぶりやん」と起き抜けの声で答えた。 どうやらお揚げの下で寝ていたらしい中村君は少し伸びをすると「小田部、おまえ今日ひま?」と聞いてきた。 私が「一応ひまかな」と答えると、中村君は「そしたら今日飲みに行こうや」と言った。 中村君と夕方6時に再度駅前で待ち合わせの約束をしたあと、私はうどんの中に浸かっている中村君に言った。 「それと悪いけどそこどいてくれないかな、ちょっと食べにくいから」
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