会議

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 次は私が所属する営業部だ。押手(おしで)部長のプレゼンが始まった。昨晩、私が深夜までかかってまとめたものだ。今月は成果が今一つだった。だが、そこは営業の押手。押し出しがいい余白の話術が心証の悪さを緩和した。浅井本部長の指摘も浅く、甘くなりがちだった。 「頑張ったが結局、今月は目標未達か...押手部長、残念だな」 「はい。一方で、受注残を来月に持ち越し、二カ月トータルで目標を達成する見込みです」  さすが押手部長、問題の先送りも絶妙だった。 「なるほど...ところで、利益率の推移が悪化傾向だが...」 「その点は棟居が答えます」  問題の押し出しも非常に素早い。私はマイクをオンにした。 「棟居です。このところの物価高でコストが高止まりしております。この状況を踏まえ、当社も打開策を鋭意検討中です」  滑らかだが中身は薄い。これ以上突っ込まれると苦しい。 「そうか...わかった。棟居君、よろしく」  浅井本部長はここでもやっぱり浅かった。
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