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「よし!」
私は内心つぶやき、にんまり笑ってマウスをクリック。マイクをしっかりオフにした。
安堵したのか急激な眠気に襲われた。席を外した私の足は当たり前のようにキッチンに向いていた。コーヒーが欲しい。自慢じゃないが、私は豆を挽いてドリップにこだわる本格派。本日の出来映えも上々だった。
私がコーヒー片手に席に戻るとPCがスリーブモードになっていた。パスワードを入力し画面が映った。すると、生産部の宅見部長と浅井本部長の声だった。
「宅見部長、この表の生産計画では期末時点で商品不足にならないか?」
「はい、生産面では本部長のおっしゃる通りです。でも、ご安心下さい。営業が各地の倉庫に在庫を確保しております。それがはければ年間計画は達成です」
さすが、宅見部長。ものつくりの匠の真骨頂。自部門への圧力回避も巧みで巧い。
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