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その時だった。
「レビレビレビ、ダビダビダビ」
真理トッツォさんが呪文を詠唱。手にしたガチャガチャ、もといカプセルトイの形状をした杖を振り翳し、大きな火球をミノタウロスの顔面に直撃させた。ダメージは500。500?一回でミノタウロスを撃沈出来る量じゃないか。
「牛くん、じっくり焼く前にへたるんじゃないよ。氷属性で冷凍してからじわじわ焼きたかったんだけど」
「一撃で倒しちゃった」
「お疲れ様。初心者にしては随分筋のいいプレイだったわね。コーチもいきなり初心者にこんな練習させないで下さい。だから練習キツイって辞めてく人も出るんです」
確かに私からみてもこの練習はキツかった。
「しかしどうだ?一回の練習でカウンターとクロスカウンター、それからコンビネーションのコツは覚えただろう。俺のコーチングは効率が良かったって事だろ」
「でしょうね。でも効率ばっかりとらずに練習生たちの事も少しは考えてもいいのでは?」
「考えた結果、敢えてそうした。まずは練習は無事こなせたな、今日の練習はここまでだ。お疲れ様」
「コーチ、何か忘れてませんか?」
「何をだ?」
「や・き・に・く、練習クリアしたらご馳走してくれるんでしょう?」
「覚えてやがったか、いいだろう。えくれあに話したい事も出来たし、俺が出そう!」
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