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今日は合宿の荷物を片付けに地学室へ来た。
先輩たちも先生もいないから一人でやる。
八島先輩は生徒会の仕事で夏休みなのに休む暇もなく、前園先輩はまだ松葉杖状態で学校に来られないし、綾瀬先生は研究職の方で研究室に缶詰らしい。
時間はかなりかかったけど、全部の荷物をしまうことができた。
帰りがけに八島先輩に会うために生徒会室に寄る。
部屋にいたのは先輩だけだった。難しい顔をしながら資料を読んでいる。
「先輩、お疲れ様です」
声をかけると先輩はこっちの方に駆け寄ってくれた。
「綾瀬くん。片付け全部の任せちゃってごめんね」
「いえいえ、先輩の方がおつかれでしょうし、あのくらいなら僕がいつでもやります!」
「ありがとう」
先輩の机には資料が山積みになっていた。
「その資料、すごい量ですね…」
「今日のうちに全部をまとめて提出しなきゃなんだ」
「大変ですね」
「うん。でも、明日の花火大会があるって思うと頑張れるんだ。本当に楽しみ」
「僕もです!」
先輩がここまで楽しみにしてくれているなんて思わなかった。僕と同じ気持ちなんだと思うと余計に嬉しくなる。
「もっと、綾瀬くんとお話ししてたいところなんだけど、これから会議なの。来てくれてありがとう。また、明日ね」
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