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数人の先生から事情を聞かれる。
僕はなんて答えたらいいのかわからなくて、言葉を詰まらせてしまった。
それに、いつ父親にこのことが伝わってしまうのか、考えただけで体が震える。
頑張れば頑張るほどに、僕の身の潔白が証明されにくくなっている気がする。
逃げたかった。苦しい。
「ちょっと待ってください!」
いきなりドアが開いた。
入って来たのはユイだった。
「その写真は全部合成です。生徒会のほうで全て解析したので間違いありません」
そのあと、奏も入って来た。
「それに、この写真に写ってるのはここ1週間以内の唯我だと持ち物や身だしなみでわかるが、その期間、唯我は朝に帰ってきたこともないし、深夜まで家を空けたこともない。うちの防犯カメラで全て証明もできる。なにより、この俺が言うんだから間違いない」
ユイだけでは説得力がなかったけど、奏が入って来たことで先生たちはすぐに納得してくれた。
そのあとは、ほとんど奏の力で、デマだったことが学校中に広まった。
それでも僕は教室に居づらくて、その日はずっと保健室のお世話になっていた。
帰り際にユイが訪ねて来た。
「体調はどう?」
「お前のせいでもっと悪くなった」
本当はそんなことを言いたいんじゃない。
僕のために動いてくれてありがとうって言わなきゃいけないのに、ユイを目の前にすると素直な言葉が喉で悪態に変換されてしまう。
「ごめんな」
ユイはまた傷ついたような顔で謝った。
「でも、これだけは伝えたくて。この話は完全にデマって証明されたよ。でも、犯人は見つかりそうにない」
「犯人、お前じゃないの?」
口をついて出た。
驚いた。自分からそんな言葉が出るなんて。
でも、言葉にしてみると、それがかなり現実味を帯びて来て、それが真実なんだと脳が錯覚していく。
「え…」
ユイはひどく驚いた表情をして見せたけど、それも嘘っぽく見えて僕はユイを信じられなくなった。
「マトリって名前知ってるやつなんて奏かお前くらいなのに、なんでデマの情報にそれが載ってるんだ?」
「そんな……」
「自作自演か?おれのデマ流して、おれのことを助けて、味方のフリして取り入ろうとしたんだろ?」
「違う!俺は真鳥を傷つけることは絶対にしない!」
「前もそう言って傷付けたくせに。お前のせいでおれはボロボロだよ。お前の言葉は信用できない。おれの前から消えてくれよ」
そう言って、ユイを突き飛ばした。
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