萩野禄助の事件記録

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「よ、よく分からないけど…じょ…女子バスケ部の白沢(?)さん…とか言う人の話しをしてた女の子達が居て……えっと…」 佐藤が説明すると、話しの途中で「あぁ、亡くなった話し?」とヤス子はけろっと言って2人を見た。 そんなヤス子の平気そうな様子を見て佐藤は思わずは拍子抜けした。ヤス子は白沢と同じバスケ部だから「…その話しやめてくれない?」と暗い顔で返されてしまうとばかり思っていたからだ。 「やっちゃん達と同じ部活の子だよね?」 「そうだけど、顔見た事ないんだよね」 「えっ、そうなの?」 「うん。ほら良くある名前だけ部活に置いてさっぱり顔出しに来ない幽霊部員みたいな?あぁでも学校には毎日来てたみたいだから白沢さんと同学年のバスケ部の子達はどんな子か知ってるみたいだったけどね。 …だから申し訳ないけど彼女が亡くなったって聞いても“へぇ、で?”って感じ。もし知り合いだったらこんな風に亡くなった人の事ぺらぺら言ったりしないんだけどね」 佐藤を探すついでにトイレに寄って来たらしいヤス子は手を洗って拭いたハンカチを畳みながら話すと それを運動着のズボンのポケットに入れた。
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