5人が本棚に入れています
本棚に追加
「なに、あんた達白沢さんと知り合いだったりすんの?」
「ううん、知らないよ。ただ まずい事聞いちゃったかなって思って…」佐藤は苦笑いした。
「まっ、良いんじゃない、別に。何かあったってうちらには関係ない話しだし」
何となくヤス子の言い方に まだそれが何なのかはっきり説明出来ない妙な何かを感じて禄助はヤス子の後ろ姿をじっと見つめた。
「沢木、次の大会のチーム分けの確認なんだが…」
階段を降りて来た奥平に呼ばれたヤス子は「はいっ」と返事して行ってしまった。
入れ違いで体育館に戻って来た女子バスケ部の1年生が佐藤に気付いて「あっ、佐藤先輩お疲れ様です!」と走って来た。
「お疲れ様…えっと、中野さん、だったよね?」
「あっはい、そうですっ。あ、先輩ボトル運ぶの手伝いますよ」
「ありがとう、でも大丈夫だよ。これもマネージャーの仕事だからね」
「いやいや、でも佐藤先輩は先輩でしょ?何本か持ちますって!私これでも力ある方なんですよ〜?」
にこにこしながら中野は佐藤が持っていたドリンクボトルを数本取ると胸元でがっしり抱えた。
最初のコメントを投稿しよう!