初恋は黒い傘

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あの人に会いたくて、でも会えないだろうとも思ったけど、あの日から毎日ケーキ屋の前で待っていた。 待って1週間。今日も放課後ケーキ屋に来ていた。車が前に止まった。ドアが開いて彼が降りてきた。 「やっと会えた。」 「…こっちが言いたいです。」 「だよね。僕の部下が失礼な態度をとってごめん。ちゃんと傘は返してもらったよ。」 「ありがとうございました。」 「マフィンとクッキーも美味しかった。あれは手作り?」 「はい。」 「お店のみたいに美味しかったよ。」 「受けとってもらえないと思ってました。」 「本当に部下がごめんね。」 「いいです。ちゃんと渡ったなら。」 「そう?なら良かった。」 微笑んだその顔を見ると胸がキュッとなった。これは、何なんだろう?
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