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絵本の内容は、ノーチェフォティア王家がこの地を大切にする理由に繋がるもので、王家の血筋に連なるアクアフォティアの姫を土地神の伴侶として嫁がせたことで王家に祝福が与えられたというものだ。
絵本によると、アクアフォティアの姫は『水』と『火』の二属性を扱え、土地神との間に生まれた子がフォレスティア伯爵家のご先祖様らしい。
「アクアフォティアの姫が自らの血筋に生まれ変わる時、王家に連なる血筋に神の依り代となる者も現れ、十八年分の記憶を捧げることで祝福を得る。……ん?」
……十八年分の記憶を神に捧げるってこと?
「神へと依り代が捧げられぬ時、アクアフォティアの姫は魂の依り代を失い、王家に災いがもたらされる」
え、ちょっと待って?
記憶抹消エンドの原因ってこれのせい?
王子が姫で私が依り代?
王子も私も、フォレスティア伯爵家と王家の血が流れているから、アクアフォティアの姫が私の可能性もあるけれど……ゲームではヒロインが記憶を抹消されているから神の依り代のほう、だよね?
乙女ゲームをプレイ中に、王子に水属性の魔法を習得させてしまったのがまずかったの?
だけど魔法の授業のイベントで、風とか土とかの選択肢を選んでも結局王子が習得するのは水魔法だったし……いっそ学園入学時には使える火を極めさせるべきだったの?
でもそんな選択肢は無かったし……。
私が四属性を覚えないとか?
いや、ダメだ。
四属性魔法がないと学園で恋敵と見なされて巻き起こる数々の嫌がらせを乗り越えられる気がしない。
領地運営のお手伝いもできなくなるしな。
それは嫌だ。
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